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リアル・メーテルはフィリピーナ③

こんな仕事は早く辞めてしまいたい。
仕事で一定の成果をあげカネという結果を残しながらも、常にそう考えていた。自分の中の常識や正義が、カネを得るための方法と、10年の長い期間が入り混じり、大きく歪んでいくのを感じたりもしていた。
いくつかカネを作る仕事と出会う事が出来た一方で、その裏側ではたくさんの事業の失敗もしていた。作ったカネは別事業にまわされ、自分の凡人ぶりを思い知る経験だけを残し、泡のように消えていった。

仕事を辞めたくても、他の仕事で得られるカネが作れなければ、どんなに税金を支払ったとしても国が助けてくれる訳でもなく、自分が老いていく事による急激な能力の衰えに、ただ震えるしか無かった。

いつしか、全てをリセットすべく、この国を逃げ出したいと考える様になった。
逃げる事には、何の生産性も無い。どこかに行っても、むしろリスクが増すだけで、過去の知識や経験が活かされない。
若さというエネルギーが無い私に、唯一の武器である“経験”が使えないとなれば『飛べない豚は、ただのブタ』状態でデクノボウもいいとこである。

それでも、しがみつける何かが無いところに行きたい。
カネを作れる、すがるものがあれば、いつまでだって、しがみつき続けるだろう。
これはチャレンジなどという格好いい事では無く、ただの死に場所探しのようだ。
時間の問題で、いつか廃れていく我が店を眺めながら、のたれ死ぬなんて、ちょっとミジメすぎる。幸いな事に、私には守るべきものが何1つ無い。

そんな考えを抱く様になって、たまたま夜遊びしていたフィリピンパブで結論に至ってしまった。

《そうだ。フィリピンへ行こう‼︎》

私は毎晩の様にフィリピンパブへと、せっせと通う様になった。目的は私がフィリピンで暮らす為の、未来の奥さんを探すためだ。
しかしながら、半年も通って分かったのが、今フィリピンにいる女は、ようやくゲットした日本という大きなカネを得られるチケットを簡単には手放さない。
日本で生きていく事にステータスを感じ、生活に快適さを感じている。だから、私とフィリピン女性とが、客という垣根を越える存在になっても、フィリピンで生活したいという私の考えに賛同する者が現れないということ。

奥さん探しという考えは、完全に排除しないものの、私は遊びながら言葉を覚えるという目的に少しづつシフトしていった。

そんな折り、マッサージ業で突然たくさんのトラブルが同時に発生した。日本で生きていくしかない、この仕事で生きていこう、そう考えていたのであれば、何かしらの対策を考えたのかもしれない。
でも、この仕事をやめてしまいたい。日本から脱出したい。そんな事ばかりを考えていた私には『これは神様が、もう仕事をやめなさい』と啓示しているのだと、そうとしか捉える事が出来なかった。
いつかフィリピンに脱出しようと、ぼんやりと考えていたものが一気に“今すぐに行く”に変わり加速して頭の中が動き出した。
国外へ行くネックちなっていた唯一の家族である犬達の国外脱出の書類を揃える。ステイ先をどうしようかと考えていた時に、スーッと現れたのがフィリピンのリアル・メーテルだ。

ピナイ・メーテルは背が低いもののスタイルは良く、美人さんで、頭も良く、歌も上手。何度か指名はしていたものの、甲斐甲斐しくお世話をしてくれるタイプでは無かったので、特に私が入れ込む事は無かった。
ただの客でしかなく、お互いに何の感情も無かったのだが、フィリピンに行きたいという私に彼女はチカラを貸してくれるのだと言う。
そして全く英語のダメな私を書類作成などから手伝い、実家に私を泊まれる様に手配してくれたのだ。

なぜ、こんなにも私を助けるのだろう?
そう疑問に感じた事は幾度もあったが、相手の思惑など、あとで考えればいい。今、目前にたくさんのトラブルが迫っており、時間の問題で何かしらの大きな事態が発生することは必然だったから。

そう、まるで、銀河鉄道999で哲郎の前にスーッとメーテルが現れたのと同じ。
見返りも無くチカラを貸してくれた事や、メーテルの思惑など考える余地もなく差し出してくれた手を掴むしか選択が無いことなど、哲郎とメーテルの出会いの様に、私もフィリピーナ・メーテルのチカラを借りフィリピンへと旅立つことになった。

銀河鉄道999というアニメでは、メーテルという女性が哲郎と同じ境遇の少年にチカラを貸し、その少年達を最終的には惑星と化した母親の部品の1つにするため連れて行くという設定だった。

私の方はというと、私の目的は日本を抜け出しフィリピンに行き、目処がつくまでの寝ぐらを確保するという目的でリアル・メーテルに近づいたわけだ。
そしてリアル・メーテルの方は、私が日本で貯め込んだと思われるカネを家族に落としてもらう為に、チカラを貸したという目的であろう。

ただ、残念ながら、私には貯め込んだカネが全くというほど無かった。一般的には、他国に移住しようと考える者は、少なくても数百万円〜の蓄えがあるのだと思う。私は異国に移住するのに10万円ほどの現金しか持ち合わせていなかった。

彼女の家族達は私が気持ち良くカネを落としてくれるように、色々とチカラを貸してくれたし、気をつかってくれて、優しく接してくれていた。

毎晩のように飲み歩いていてカネ持ちであるとピナイ・メーテルは勘違いしていたかもしれないが、私は本当にワランペーラ(カネが無い)なのである。

フィリピンに行くという目的、そして約1ヶ月ほどの寝ぐらを確保できた私は、しっかりと目的を果たす事ができた。
逆にピナイ・メーテル側は、カネを使わず何の恩恵も与えてくれない貧乏な日本人に嫌気がさし、私を追い出しにかかろうとしたところで、途中下車しピナイ・メーテルとの旅を終了させた。

カネの無い私が逃げ出す所なんて無いはずなのだが、まるで漫画の様にギリギリでチカラを貸してくれた人のおかげで、私はまだ生きている。
40を超えたオッサンなのに、子供の様に計画性も無く生きている私をギリギリのところでサポートしてくれ、面白がってチカラを貸してくれているその人こそが実はホンモノのメーテルで、私は自分の赴くままに生きている様に思っていても、手のひらで踊らされどこかに誘導されているのかもしれない…。

私のフィリピンの物語は、まだ始まったばかりだ。
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