記事一覧

平和な町インファンタの仁義なき戦い

マリザさんが予想に反して早い時間に客が来たからなのかテンパってグラスを割っていた。
だから、ガラスのグラスじゃなくプラスチックにしろと言ったのに、プラスチックは安っぽいなどと言って、無駄にグラスを壊しやがってと心の中で呟く私。
今日は、早くもこの商売に限界を感じている。
なぜなら、1番の信頼出来るメインのスタッフが、マリザさんだからである。
私の感覚では、日本在住のフィリピン人を除いて、フィリピンにいるフィリピン人の中では特別にアホというわけじゃなく、平均的な能力だとは思う。
きっと誰だろうと似たり寄ったりみたいなもんだろう。
でも、平均的な日本人よりかは、かなり全てが劣っていて、仮に今のマリザさんが日本に住めば、言葉の問題では無く、日常生活に多大に支障をきたすと思う。
まぁ、そんな仮にの話しを考えなくても、間違ってもマリザさんを日本に連れて行ったりしない。

話しを戻すけど、今朝マリザさんはカルデレータとシニガンバーボイを作った。
約500ペソの仕入れをして、作った物をほぼ売り切って450ペソの収入だ。
売れば売るだけ損をする計算になる。
売れるかも分からないリスクを背負って、朝眠い中起きて料理をして、それを全て売り切ってマイナスとは、一体何を得たのだろうか?
投資での損切りとは訳が違う。
本人はカネを稼ぐ為、プラスにする為に、一生懸命やった結果が、正規料金でほぼ売り切っての赤字。
まぁ計算なんかしていないのは分かる。
だからこそ、この先、飲食店をマリザさんとやっていっても、うまくいくわけが無いと感じてしまう。
一体、彼女にどう言えば良いのだろうか。
店に来る客が少ない中で、入れる量をケチれと言えば更に客が遠のくかもしれないし、事前に何人前を作るなど、マリザさんの頭で計算するのは難しい。
どう伝えるべきかと考えていたら、ナカシマゴット カ?(なんで、ふてくされたカオしてるんだ?)と尋ねてきた。
私が仕入れがいくらでと説明しだすと、品物をほぼ売り切っているのに、仕入れ金額に対して売上が少ない事を彼女も認識はしていた。
どうしたら良いのかまでは分からない様なので、2品しか作らないのに作る組み合わせが悪いと教えてあげた。
カルデレータもシニガンバーボイも材料費が高い料理だ。
モンゴなど材料費が安い料理と組み合わせればバランスが取れるのだと。
ただ、シニガンバーボイとモンゴのどちらかの選択ならば、ほぼシニガンを多くの人が選択するだろう。
ただ、汁物はオツユで量がそれなりになるので、利益を出しやすかったりする。
そんな事を教えても、時間が無駄なだけなので、早々に説明は切り上げたけど…。
なぜなら、ランチ時に少し客が入ったら、ゴハンが無くなったと慌ててゴハンを焚き出すオンナなのだ。
ゴハンを売ってる店で、それもロクに客が入っていないのに、ゴハンが無いって…
管理していない私が悪いのだろう。
マリザさんがやる事を気にしない様に彼女の行動について考えるのを遮断していて、私は見ようともしなかった。
見ないようにしていても強引に入り込んでくる。
つい、さっきまで、客がいないといって携帯をいじって遊んでいたのに、ゴハンが無いのか…。
もし、自分の無能ぶりを他人に知られても恥ずかしくないのなら、客にゴハンが無いですと言えば良いと思ったりした。
それにしても、今さら炊いても、そのコメは誰にも食べてもらう事が無いだろう。
ランチは2回転しないので、今いる客が終わったら、もうコメを食う客は今日現れないし、何よりオカズが少ししか無い。
そんなバカみたいに多い量を急いで炊いても意味が無い。
だけど、私は黙って傍観する。
マリザさんに説明したり、言い合うのが面倒くさい。
テンパっている時に、余計なクチを出して、更にテンパらせて営業にならなくなってしまったら困る。

夕方には、マンゴーシェイクのオーダーが10個入った。
マリザさんと、学校帰りのムスメのアイヴィちゃんと、オカマと3人がかりで、ゴソゴソやっているけど15分経っても出来上がらない。
最初に作った1つ目は余裕で溶けている。
手際が悪すぎて、見ていて恥ずかしくなってくる。
私は恥ずかしいので、まるで客の様に傍観している。
私が手出しクチ出しすれば、それこそ大の大人が雁首並べて醜態を晒すだけで無く、さらに出来上がりが遅くなるだろう。
下手をすれば、私のせいで遅くなったなどと彼女の頭の中で言い訳が出来てしまう。

小さい金額の商売は数を売るしかない。
スピードが求められるけど、マリザさんにはスピードを求められない。
なのに、ムスメのアイヴィちゃんとオカマは、時間がかかるから飽きてしまったのか、客が腕を組んで待っている横でノンキにカラオケを歌いだした。
傍観する事も出来ず、ついに私は天を仰いでしまった。

とは言え、もう始めてしまった以上、他人のせいにばかりしてはいられない。
マリザさんと組むのはわかっていたし、マリザさんのマヌケぶりも毎日目にしている。
それを知っていても、私は飲食店をやってみたかったし、やっていて色々考えられるので楽しくもある。
マリザさんがどうこうでは無く、三国志で言うならば呂布の如く、一騎当千、強引にオノレのチカラだけで利益を作れば良いこと。
まぁ、私が千人分に匹敵する能力を持ち合わせていない事など、私自身が分かっているけども、私の能力など日本では0.5人分の能力だけども、ここフィリピンならば1人で2人〜3人くらいの働きは出来るハズ。
私は今日はハンバーガーを作ってみた。
ハムの端切れと薄焼き卵のカスを入れたハムサンドで10ペソ取っていたのから、今日はハンバーガーに進化させて15ペソを取ろうと目論んでいた。
もちろん、私は日本人なので、原価の計算もしているし、損益分岐が何個売れたとこからなのかは把握している。
更に、それなりの量を捌けるアイデアも用意していた。
朝9:30〜10:00の時間帯、ハイスクールはオヤツ休憩になる。
その休憩時間に学生は校外へ出てはいけないのだけど、校門にへばりついて、近隣のサリサリストアに欲しい物をオーダーしている光景を見ていたからだ。
そのオヤツ休憩時間にハンバーガーを売り捌いてやろうと画策していた。
午前9:30にオカマちゃんを引き連れて校門へ向かう。
オカマはシャイだからなのか、日に焼けるのがイヤだからなのか、木陰に隠れてボハーっと離れたところに突っ立っている。
まぁいい、なんとかカタコトでもハンバーガーくらい売れるだろう。
オカマに頼らなくても自分で何とかしてやるさ。
そう思い校門に近づくと…。
すでに近隣のサリサリストアのアテ達が陣取っている。
へばりついたアテ達は、校門前に陣取ったスペースから決して動かずに、陣地を守ったまま、ダンナなどの機動部隊にデカイ声で入ったオーダーを指示している。
新参者の私には、わずかなスペースも与えてはくれない。
ハンバーガーを大量に持っている私を見て、オーダーを指示するアテ達の声に殺気が混じる。
オヤツ休憩の校門は、わずか5ペソ(11円)、10ペソ(22円)を奪い合う戦場だったのだ。
怒号の様にオーダーが飛び交う勢いに圧倒され、なかなか最前線にスペースを見つけられない。
オカマは殺気だった雰囲気に尻込みし、奥に引っ込んで携帯をいじりだしてしまった。
私だって、何を言っているのか分からないし、日本人だけども、校門前のスペースは与えてやるものか!という生活がかかっている生き死にをかけた気迫はビンビンと感じる。
柵を隔てて手を伸ばしあう様子は、ナチスドイツに収容されたユダヤ人が収容所で、大人と子供に選別されているかの様なシーンだ。
そこに割って入るドイツ兵の気分だけども、尻尾を巻いて逃げ帰るのも逆に恥ずかしい。
最前線を求めるものの辿りつけないのは私だけじゃなく、オヤツを買い求める子供達もそうだった。
自分が欲しい物をオーダー出来る最前線へ、なかなか辿りつけない子供達は脇へと移動し、塀の隙間から大きな声を出しオーダーする。
最前線のスペースを確保出来ない私は、その最前線に辿りつけない子供達に売りつける作戦に変更する。
バーガー キンセ ナ ラン
などと言いながら、ちょいちょい イサ ダラワと子供達から注文が入る。
ウヒョヒョ ババー達が既得権益を守ろうとするのも分かる宝の山じゃねーか。
などと売っていると、1人のババーが何やらデカイ声で、怒鳴っている。
明らかに私に言っているのは分かったけど、そんなのにビビってはいられない。
こちらより5ペソ安いけど、ゲロ吐くほどにクソマズいバーガーなんか子供達に売りつけて可哀想だろ!
などと、自分を正当化して、ババーが怒鳴っていうのを無視して、売り続ける私。
オカマは遠くで私が怒鳴られているのを見ている。
私がタガログ語に堪能で無い事をオカマは知っているが、加勢したり助けるツモリは無いようだ。
それもそのはず、ババーは黒い肌でも分かるほど、顔を真っ赤にして片手には何故かフライパンを持っている。
仕方なく私は、フライパンを持っているババーの方に向かい、彼女の訴えを一通り聞いてあげた。
何か怒っているのは分かったけど、詳しい事は分からない。
フワッグ とか バワルとか言ってたので、きっと禁止行為を私はやっているのだろう。
ソーリー ポとニコヤカに謝って立ち去るフリをしたのだけど、クヤー バーガー ダラワ!と私を呼ぶ少年の元に駆け寄り、すかさずカネを受け取り釣り銭とバーガーを手渡してあげる。
そんな作業をしていると、オカマが濁った黄色い声で、アキーラー アキーラーと私を呼んでいる。
オカマを見ると、まん丸の目で、私の後ろを指差している。
指差す方向に目をやると、さきほど私に怒鳴っていたババーがフライパンを持ってダッシュしてくる。
今度は本気で叩かれそうな雰囲気を察したので、慌てて逃げ出した。
後ろからババーが野太い声で怒鳴っているのだけど、私に聞き取れたのは一言。
ナカカイニス カー‼︎(オマエ ムカつく!)

店に戻って、マリザさんに、マタンダ ソーブラン ガリット(ババー すげー 怒ってた)と話すと、ヘラヘラ聞いていた。
そして、学校の休憩時間が終わった頃を見計らって、私は怒っていたババーと話をしてきて良いか? と聞いてみる。
ヘラヘラ話を聞いていたマリザさんが、急にキリッとした顔でバキット(なんで?)と、神妙な雰囲気を出してくる。
私がケンカを売りに行くとでも思ったのだろうか?
私は、ババーが私に説明してた事の意味が分からないので、再度説明をしてもらおうと思ったわけだ。
だけども、デンジャラスだの、あなたは観光ビザだからだの言って、ババーのとこに行く事を了承してくれない。
ただ、私としては、今後あの宝の山を黙って見過ごすには、あまりにもモッタイない。
子供達を食いものにしているババー達が既得権益を守ろうとするのは分かるが、新参者だからと言ってビビって腰をひいていたら、サバイバルの国フィリピンで商売なんて出来っこない。
引くにしても、私自身が納得しないと、ただの腰抜け日本人として、商売敵にナメられてしまう。
別にマリザさんについてきてもらおうとなんて思っている訳でも無いので、コッソリと抜け出して怒ってたババーを探しに行った。

ババーが怒り狂っていた辺りをキョロキョロと見回して、ババーを探す。
私よりも先にババーは、私を見つけたようで、私がババーを見つけた時は、腰に手をあて仁王立ちしている。
おぉぅ、なんか、まだ怒っている。
ここは外国人として、スットボケた事を言って、怒りを収める作戦を取ろう。
なーんて、考えながら、ニコニコと笑顔でババーの方に向かっていくと、先制攻撃はババーからで、プータギナまでは分かったけど、後は何を言ってるか分からない早口で、でも近所中に響き渡るデカイ声で怒鳴り出す。
やべぇ、超イカってる。
とりあえず、謝っておくかなどと考えている内に、ガシッと肩部分のシャツをワシ掴みにされ、ババーが営むサリサリストアに連れ込まれる。
そこでも、デカイ声で、色々と怒鳴られたけど、何を言っているのかサッパリ分からない。
分からないので、取り敢えず彼女の怒鳴り散らす時間が過ぎるのを待つ。
怒鳴り疲れたババーが一呼吸置いたので、私が話しだす番が回ってきた。
アテ カニーナ パセンシャ ナ ポ(※こう言ってるツモリです おねえさん さっきはごめんなさい
ペロ ヒンディ コ ナインティディハン(でも、私は理解していません)
バキット イカウ ガリット?(なんで、あなたは怒ってますか?)

ババーは私の質問には答えず、where you from?と質問に質問を英語で返してきた。
サ ジャパン ポ(日本です)
英語にタガログ語で返す私。

ここからは面倒なので内容を略すけど、要するに、物を売ったり、買ったりするのは、校門ゲート部分以外は禁止なのだそうだ。
私はゲート横の塀の隙間で受け渡しをしていた。
ルールを守らないと、学校側から休憩時間の売買を禁止される危険がある。
みたいな感じの話をされた。
実際は分からないけど、だいたい合っていると思う。
そして、校門で商売している人達は、誰だか知らないけど、カネも払っているのだと。

どこまでホントで、どこまでウソで、どこまで私が理解した事と、ババーが言っていた事のギャップがあるか分からないのだけど、まだ地域に溶け込めていない現段階では、手を出すのは時期尚早という事だろうか。
それにしても、産まれて初めて本気でフィリピン人に怒られた。
みんな生活を守る為の、本気の勝負をしているんだなと思うと、心が躍る。
とりあえず、ゲリラ戦はいったん休戦して、メインの戦いをどうするか考えないと。

にほんブログ村 海外生活ブログ フィリピン情報へ
にほんブログ村

炊いたまま手付かずで夕方まで放置されたコメ

関連記事
スポンサーサイト

コメント

No title

どうせなら、学校に直で話してみては?
学校内に売店を置かせてみたいな。

初場代は、利益の○パーセントとかって、校長を落とせばこっちのものですよ。

それを交渉する人がマリザさんでは不調になるかもしれませんが。。。

日本人が校内で売店を開く。面白いですね。如何でしょうか?

No title

観光ビザですか?
校門の商売は潔く諦めて下さい

レストラン内での労働も辞めた方が肝要です
地域住民(アナタが商売の邪魔と感じる)は
バランガイポリスと警察に報告して、
アナタをいとも簡単に拘束出来ます
下手打つと、
好ましからざる外国人として国外追放、
ブラックリストに登録されて、
2度とフィリピンの地を踏めなくなります

それでも商売を継続したいのならば、
ほぼ裏方の協力な司令塔に徹して、
あくまでも住民から見たら、只の手伝いさん的なオーラを
出し続けるしかありません
それがフィリピンで就労可能なビザを持っていない外国人の宿命です

Re: No title

>MS様 コメありです。学校内に施設を作れるカネも無いし人員も無いので… 多くの人が狙ってそうなポジションなので、そうとうカネ積まないとダメでしょうねw

Re: No title

>通りすがり様 コメありです。はい、観光ビザです。ご心配及び色々とご教授頂きありがたいです。マリザさんは近隣の方々にはアサワとして私を紹介していています。全ての名義はマリザさんです。いっそ国外追放となった方が、マリザさんと離れられる言い訳や、フィリピンに戻れない言い訳、お店がうまくいかなかった事の言い訳となるのですが… 教えて頂いた事を肝に銘じて継続して行きます!

気をつけてください

こんにちは まずは お疲れ様でした
外国人は ビザのことより このような 小さい
商売には 表に出ないほうがいいです
気をつけてください

Re: 気をつけてください

>k.s様 コメありです。ご心配、アドバイスありがとうございます。田舎だからなのか閉鎖的で、近隣住民には受け入れてもらっていない感をガッツリと感じますw

うはは〜

注意すべき点などは、皆様お書きのことですし、私も現地でララキでしたが、商売仇と怒鳴り合いを演じたことがありますので、言葉が理解できない強みで逃げ切り、関西弁でしばきまくりましたが、相手も同様な感覚であったと後日、仲直りした後に笑話にしました。

今回の記事は、傑作集に入るのでは?
いやはや、毎日ガチドラマ世界ですね。
でも、揉め事だけはフィリピンではタブーですよ〜と、私が言ってみる(笑)

Re: うはは〜

>コードK様 コメありです。私は基本的に小心者なので、いつだって一方的にやられるだけの側の人間なので、大層な揉め事は起こさないと思っています。ただ、ちょっとだけイタズラっ子なので、バワルと言われると、ダチョウ倶楽部の押すなよと同義語で、ヤレ!って言われてる気分になっちゃったりしますw あっ、コードK様のブログ、私の方は承諾無しでのっけちゃいました。あはは。

No title

みんな利権を守ろうとして新参者には、特に外国人だと余計排除しかかるのでしょうね。皆さんご心配の通り気を付けて頑張ってください。
追加炊きのライス予想通り手つかずでしたねぇ~、アハハハ、でもノープロブレム、次の日の炒飯に^^

Re: No title

>waikiki66様 コメありっす。リスクを感じる能力が欠如してるみたいです私。 父さんにも怒鳴られた事無いのに!って感じで楽しいカルチャーショックでした。あはは。

コメントの投稿

非公開コメント

最新記事一覧

カレンダー

07 | 2017/08 | 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
海外情報
18位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
アジア
7位
アクセスランキングを見る>>

全記事表示リンク

FC2ブログランキング

ブロとも申請フォーム

プロフィール

walangpela

Author:walangpela
walang pela na ako ワタシ オカネ ナイヨ
kawawa naman na ako ワタシ スゴイ カワイソウ
きっとそんな感じの内容のBLOGになると思いますが
どうなっていくのかは知らないです
hindy ko alarm ワタシ シラナイヨ

QRコード

QR