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フィリピンでタイムスリップ

私は18歳で結婚した。
19歳の時に長男が誕生した。
長男が小学校の入学式に行った時は、私はまだ父親だった。
長男は今22歳だと思う。
今、会ってもお互いに分からないだろう。
次男もいた。
次男の年齢は忘れてしまった。
2人とも名前は覚えているが、顔はもう浮かばない。
今は大人になって違う顔になっているだろうから、覚えていても意味が無い。

先ほど犬とアパートのまわりを散歩している時にすーっと鼻に入ってきたニオイで、20年以上前の記憶にタイムスリップした。
きっと、いつかどこかで嗅いだ事のあるニオイだったのだろう。
遠く離れたフィリピンで、遠い昔の日本の記憶を呼び起こされるとは思いもしなかった。

18歳の時、付き合っていた彼女が妊娠した。
彼女はRH−のO型で、もし堕胎したら、2度と出産出来なくなる可能性が高いと私に告げ、出産及び結婚を強要した。
今となっては、それが本当の話しであるのか、彼女の作り話しだったのかは分からない。
ただ、どういう形であれ、自分が親になるというのは、大人になれる気がして嬉しかった。
彼女を妊娠させておいて言うセリフでは無いが、好きとか・愛してるとか、そういう感覚を抱いたことは全く無かった。
それは彼女に限った事ではない。
幼稚園〜中学生までは、好きになった女の子もいたが、1年くらい時が経つと、何を根拠にこのオンナを好きになったのだろうと不思議に思うほどウゲっと思う様なオンナを好きになっていた。
だけど、15歳を過ぎたあたりから、もう誰かを好きになるという感覚は抱いた事が無かった。
もしかしたら、永遠に好きになる人なんか現れる事が無いかもしれない。
だから結婚する事になるオンナが、好きであるかどうかなんて関係ないと思った。
世の中には子供が欲しくても出来ない人もいるわけで、そういった行為をすれば、即ち妊娠するという訳ではない。
子供が出来るかどうかは、その行為をした本人達が決める事ではなく、奇跡の確率に委ねられた神のなせる業だ。
これっぽちも信心深さを持ち合わせていないが、神様が私の運命を決めたというならば、それに従おう。
そう思って結婚を決意した。

彼女の父親のもとに話をする日が来た。
何と言えば正解なのかが分からないが、ドラマみたいに「娘さんを私にください」なんて言うのは、まるでコントみたいだから言いたくなかった。
何も考えないまま父親の前に座った。
「ゆかさんとお付き合いさせて頂いています。彼女が妊娠をしたので、結婚したいと考えまして、報告に伺いました」
こんな感じの事を奥さんの父親に言ったと思う。

奥さんの親父さんは、いわゆる普通のサラリーマンという印象を受ける、あまりクセの少なそうな、優しそうなお父さんだった。
私の父親は、寿司職人で、当然仲間も寿司職人で、言い方悪いが、ちょっとオツムの弱そうな、普通な感じじゃない大人しか私は接した事が無かった。
私が生まれて初めて、学校の先生以外に普通の大人と接した瞬間だったかもしれない。

その普通のお父さんは、私の話を聞いて「そうか…」と言ったあと、少し黙っていた。
私は怒鳴られたり、ひっぱたかれる場面も想定していたのだが、優しい口調で「あきらくん。お腹すいてる? ウチ何も無いんだけど、冷たくなったゴハンくらいあるし、タマゴもあるから、タマゴかけゴハン食べるか?」って聞いてきた。

「あっ、お腹すいてないです」って断ったあと、何故にタマゴかけゴハンなのか。
それも何故冷や飯にかけるのかなどの疑問が頭の中を全速力で駆け抜け、その疑問で頭がいっぱいになる。
もしや、これは意地悪を言われているのを私が気づかないだけなのか、もしくは親父さんもテンパっていて意味不明な事を言っているのだろうか?
そんなたくさんの疑問で頭がいっぱいになっている時に、いきなりど真ん中のストレートをぶちこんできた。
暴投気味のボールを投げた後に、ノーコンなのか、まだ調子が上がっていないのか、もう一球待った方がいいかと思っている時に、ど真ん中にストレートを投げられると、もうどうして良いのか分からなくなるのと同じだ。
奥さんの親父さんは「あきらくん。ゆかのこと好きかね?」と聞いてきたのだ。

結婚報告しに来てる男に聞くセリフなのだろうか?
もしかしたら、今の場面なら正直に好きでは無いと言っても許されるのではないか?
私の本当の気持ちを最後に確かめますよって意味で聞いているのだったら、ウソをついて好きですと答えるなんて不誠実なのではないだろうか?
いや、嫁さんのお父さんに結婚をしますって報告をしに来ている男が、すいません実は好きでは無いのですが、自分がやった事の責任を取るという意味で結婚しようと思っていますなんて素直な気持ちを吐露したら、それこそバカにしている不誠実な男になるのではないか?

時間にして、数秒なのか分からないが、やばい早く答えなければ、長い時間考えているという事が答えになる。
ようは嫌いだって事になってしまう。
追い詰められたように私は「はい。ゆかさんが好きです」
そう答えていた。

いちおう腹はくくってお父さんに会ったつもりでいた。
結婚という制度に対して、いいも、いやだも、何の思い入れもないので、全く抵抗感も無かった。
決して奥さんになる彼女の事をキライでは無かったが、決してスキと感じた事も無かった。
好きという感情を持っていないと、結婚ってしてはイケナイなんて思っていなかったので、この問答だけで数年の寿命が縮む思いをした。

その後、貯金はあるのかという話や、長女が結婚する事になっていて、そちらはキチンと前々から準備して決まっている話しだから、あなた達のとこに回すカネがないと伝えられた。
別に出産費用が無くてそれを出してもらいというカネの無心に来た訳ではない。
「はい。全てのカネを自分で稼ぎたいと思っているので心配は無用です」と答えた。

そんな話をして、彼女の家をあとにしたのだが、その時に感じたニオイを20年以上経過したフィリピンで感じた。
いったい何のニオイかは分からないけど、何十年経っても初めて会った人に冷や飯のタマゴかけゴハンを勧める意味は分からないし、他人の家でタマゴかけゴハンをかきこむ人にはなれない。
20年以上の時が経っているのに、あの時と自分は何も変わっていない気がする。
タマゴかけゴハンは冷や飯でもウマイよ!と思った方は
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散歩してヘラヘラしてるワンたんです。

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